目次
Q:歯内療法(根管治療)が出来ないケースもあるのでしょうか?
Q:神経を取った歯は、徐々に歯や歯茎の色が悪くなることがありますか?
Q:そもそもどうして歯の神経を取らないくてはいけないのでしょうか?
Q:根管治療で歯を残さずに抜歯した場合、どんなデメリットがありますか?
Q:根管治療で使う針のような器具ですが、治療中は痛くないのでしょうか?
Q:他院で神経を取るため歯を大きく削りましたが、そこまで削る必要があるのでしょうか?
Q:他院で根管治療後に痛みが出てしまいました。治療が失敗したのでしょうか?
Q:根管治療にはどの位の時間が掛かりますか?何回位の通院が必要でしょうか?
Q:歯の神経を抜くときに、レントゲンを撮らないで治療する場合はあるのでしょうか?
Q:他院で、根管治療は初回にレントゲン、2回目はその説明という流れと聞きましたが、一度に終わらせることはできないものなのでしょうか?
Q:他院で根管治療が終わり、銀歯を被せた次の日から少し硬い物を噛むと痛みが出るようになりました。噛み合わせの問題なのでしょうか?
Q:他院で根管治療中で、柔らかいものでも少し当たっただけで痛いのですが、原因は何なのでしょうか?
Q:他院にて根管治療中で、仮詰め後の苦いのが収まりません。臭いがしない薬や、臭いが漏れないような仮蓋に替えることは可能なのでしょうか?
Q:根管治療をしても抜歯する事はあるのでしょうか?

根管治療が成功すれば、補綴処置を施して歯の保存が出来ます。
しかしながら、歯には寿命があります。
神経を取っていない歯(有髄歯)と、神経を取っている歯(無髄歯)を比べたら前者の方が寿命は長いです。
有髄歯は血管があるので歯には栄養が行き届き、元気なまま使うことが出来ます。
無髄歯となっても歯の保存は出来ますが、血管がないので栄養は届かず、神経を取ったその日から劣化が始まります。
最終的には、劣化により歯根の破折を起こす事が多々あります。
抜歯の原因の多くがこの歯根破折と言われ、根管治療をしても劣化による歯根破折を起こすと抜歯になります。
少しでも歯根破折を予防するために夜寝る時のマウスピースの装置も効果的です。
歯根破折の症例についてお知りになりたい方は、こちらの歯根破折により抜歯を行った症例をご参照ください。
Q:歯内療法(根管治療)が出来ないケースもあるのでしょうか?

虫歯の進行具合によっては根管治療が出来ないケースもあります。
例えば、歯肉の中の方まで大きく虫歯が侵食してる場合は厳しいと言えます。
虫歯菌が神経を汚染すると無菌状態が保てず神経を取る事になります。
よしんば根管治療が出来たとしても補綴する過程で支台築造をしますが、虫歯が歯肉の中に大幅に侵食してる場合は支台築造の型取りが出来ないので治療不可という事になります。
また大臼歯の場合、髄床底まで虫歯が侵食されている場合も保存不可能となり抜歯の適応となります。
こうならない為にも早期治療をオススメします。
また治療途中の中断も絶対ダメです。
神経を取ると一旦痛みが引きますが、放置する事により痛くなくても虫歯が進行して行きますので注意が必要です。
Q:神経を取った歯は、徐々に歯や歯茎の色が悪くなることがありますか?

歯には神経があります。分かり易く言うと血管です。
神経のある歯は知覚があり、冷たい刺激、熱い刺激などを感じる事が出来ます。
虫歯菌が神経を汚染すると無菌状態が保てず神経を取る事になります。
その際に、歯自体は保存することが出来ますが、神経を取ったその日から血液の供給が無くなるので劣化が始まるわけです。
その結果、時間の経過と共に歯の色調が悪くなって行きます。
神経を取った事で歯茎自体の色の変化はありませんが、歯に近接してる歯茎に関しては変色した歯の色調を拾ってしまうこともあります。
神経を取らなければならない状態まで虫歯を進行させないよう、日頃のケアと定期的な検診が大切ですね。
根管治療に関して詳しくお知りになりたい方は、こちらの根管治療ページをご参照ください。
Q:神経を取るのに大きな穴を開けるのは何故でしょうか?

歯の神経をとった後は必ず根管治療が待っています。
ファイルという根管治療器具を使って根管内に付着している感染歯質、腐敗物質を丁寧に清掃して行くのですが、狭い根管に最終的な薬(根管充填材)を入れるために、ファイルを使って少しずつ広げて行く作業をします。
この時、小さいしか穴を開けないならばファイルを上下左右充分に動かす事が出来ず、根管内部に感染歯質を取り残す可能性が高くなるのです。
これが病気の再発に繋がるの、で上部の穴をある程度大きく開けることが必要となります。
Q:根管治療にマイクロスコープが有効なのはなぜでしょうか?

歯の治療において、歯の根管の中の様子や状態は肉眼でははっきりと把握する事が出来ません。
見えたとしても根管の入口付近まででしょう。
また、治療ユニットに付いている無影灯では、光が歯の根管内部に届きません。
歯科用のルーペを用いても倍率は10倍程度が限界ですが、マイクロスコープでは最大倍率は20倍以上です。
付属しているLEDライトが根の先の状態も捉える事が可能となりますので、根管治療の正確性も向上し、根管治療にとても有効と言えます。
また、歯の根管が閉鎖気味になってる場合でも、根管を発見出来る確率が上がると思います。
現在は日本の歯科医療にて少しづつマイクロスコープが普及してきましたが、導入している歯科医院はまだまだ多くありません。
当院ではより精密な治療を行うため、いち早くマイクロスコープを導入し、治療に役立ています。
Q:そもそもどうして歯の神経を取らないくてはいけないのでしょうか?

全ての歯には神経が通っています。
神経は歯髄と言われていて、わかりやすく言うと血管ということになります。
人間の身体は血管があり、例えば怪我をした時、傷口から出血をすることがありますが、殆どの場合大事になることはありませんよね?
出血は自然と止まり、時間の経過と共に傷口も治癒していきます。
歯の神経を取る状況は、簡単に言うと虫歯を作り、その虫歯菌が神経を刺激している状況なのです。
染みる程度の虫歯であれば、神経を取ること無く虫歯の治療で終えることが出来るはずです。
やや深くなっても3Mix-MP法やドックベストセメント療法などで神経を温存出来ることも多いですが、大きな虫歯で何もしなくてもズキズキと痛む場合は、虫歯菌がすでに神経に感染してる可能性があり、神経を取らざる負えないのです。
歯の神経はとてもデリケートで一度感染すると元に戻ることが出来ないので神経を取るしかないという判断になるのです。
なるべく早く処理する事で歯の神経を守ることが出来るというわけです。
症例や詳細を知りたい方は、当院の根管治療ページも是非ご覧になってください。
Q:根管治療で歯を残さずに抜歯した場合、どんなデメリットがありますか?

抜歯をした場合は、その箇所になんらかの対策を練る必要が出てきます。
両隣の歯があればブリッジにするか?両隣の歯を削りたく無ければ、取り外しの義歯?義歯が嫌であれば骨量に問題無ければインプラント?
いずれにせよ、欠損したままでは歯が倒れてきたり、噛み合わせの歯が廷出してきたりするため、さらなる悪循環になります。
そのため、根管治療をして保存を試みるのが第一選択なのです。
どうしても保存不可能の場合は自分にあった次の手を検討して行けば良いですね。
お悩みのある方は、当院までお気軽にご相談ください。
Q:根管治療で治らない歯とは、どんな場合なのでしょうか?

神経を取ってから時間が経過している程、歯の劣化が進んでいる可能性があります。
場合によっては、歯根にヒビが入っている場合(歯根破折)もあります。
この場合は根管治療しても全く改善しない事が予測されます。
ヒビから細菌感染を起こしてしまっているので予後不良で抜歯の選択となります。
また、不適切な根管治療により、根の先端が破壊されてしまっている場合も治りにくいケースが多いです。
再根管治療で改善出来る事もあります。
当院の根管治療ページでは、多くの症例を紹介しておりますので、お悩みのある方はお気軽にご相談ください。
Q:根管治療で使う針のような器具ですが、治療中は痛くないのでしょうか?

根管治療をする時にはファイルという根管治療専用の治療器具を使います。
神経に達する位の大きい虫歯の場合の治療を抜髄といいます。
生きている神経を取るので、もちろん麻酔をしっかりと効かせて治療を行います。
根管に最終的な薬が入るまで、毎回麻酔をして処置する事もあります。
また、根管治療の不良の歯の再治療の時を感染根管治療といいます。
この場合は麻酔をしなくても済む場合もありますが、根管にファイルを挿入した時に痛みがある際には、根管内にまだ腐敗物質や感染物質や取り切れてない神経がある事が想定されるので麻酔が必要となります。
当院の根管治療ページでは、多くの症例を紹介しております。
他院で過去に治療したケースでも対応しておりますので、お悩みのある方はご相談ください。
Q:他院で神経を取るため歯を大きく削りましたが、そこまで削る必要があるのでしょうか?

ケースバイケースかと思われます。
根管治療をする際にファイルという器具を使用しますが、削り込みが少ないとファイルの操作範囲が制限されてしまい、根管内に汚染物質や腐敗物質を取り残す可能性が高くなるため、ある程度大きく削り治療を進めるのは正しいと言えます。
前歯の根管治療の場合、補綴(被せ物)しないで詰めて終了する際は、比較的小さく削り治療を進める事もあります。
ただ小臼歯、大臼歯などは噛む力が大きくかかるので、神経を取った後は基本被せ物をする方がセーフティだと思います。
歯の神経の治療(根管治療)に関してお悩みのある方は、お気軽に当院へご相談ください。
Q:他院で根管治療後に痛みが出てしまいました。治療が失敗したのでしょうか?

根管治療後、痛みが出たら即失敗と判断する事はありません。いろいろな状況が考えられるためです。
術前に根の先端に病巣がある時などは根管治療後、痛みが落ち着くまで少し時間がかかる事もあります。
また根管内の感染が慢性状態だった場合、根管治療で菌を起こして一時的に腫脹する事も考えられます。
そういう症状が出たらまず、レントゲン撮影をして現状を把握することが必要と思われます。
根管治療後、薬の充填状態が良くなくて痛みが出ていると判断された場合は再度根管治療をすることもあります。
当院では、日本の歯科医療でまだ導入数の少ない、マイクロスコープを使用した精密な根管治療を行っておりますので、マイクロスコープ精密治療に関してはこちらもご覧ください。
歯の神経に関してお悩みの方はお気軽にご相談ください。
Q:根管治療した歯はずっと使えるのでしょうか?

歯には中心部から根の先にかけて神経(血管)があります。
冷たい物を口に含むと歯が滲みたりするのは神経が生きているためです。
深い虫歯が出来てしまいズキズキした痛みが出た場合は神経を取る処置が必要になりますが、神経を取っても歯を保存する事が出来ます。
これを根管治療と言います。
ただ根管治療をしっかりとしないと、治療後に根管治療時に取り残した不純物などが原因で再発して痛んだり、腫れたりする事があります。
再治療する時に折角被せたクラウンを壊して外して再治療が必要になり、結果歯の寿命を短くしてしまうので、根管治療をしっかり行う事により再治療のリスクを減らして長く使える事が出来るのです。
そのため、根管治療はとても大切なのです。
当院では、日本の歯科医療でまだ導入数の少ない、マイクロスコープを使用した精密な根管治療を行っております。
当院の根管治療に関してはこちらをご覧ください。
Q:根管治療にはどの位の時間が掛かりますか?何回位の通院が必要でしょうか?

歯の中の根管の数や根管の形状や炎症の有無よって根管治療に要する時間は変わってきますが、上下顎前歯、下顎小臼歯は通常一根管ですので、スムーズに進めば2回で根管治療が終了する事も多いです。上顎小臼歯は通常は二根管です。
2-3回で根管治療が終了する事が一般的です。
上顎大臼歯は通常は三根管、場合によっては四根管ですので根管治療に3-5回とかなりの時間を要する事が多いです。
最後に下顎大臼歯は通常三、四根管ですが、樋状根という特殊ケースもしばしばありますので、これも3-5回とかなりの時間を要する事も多いです。
当院では根管治療に60-120分程度の時間を確保してまるべく少ない回数で終わらせるよう努めております。
根管治療でお困りの方は是非ご相談ください。
Q:根管治療とはどのような治療なのでしょうか?

虫歯が出来てしまった時や、象牙質の深い所まで侵食されてしまった時、すでに歯髄(神経)まで達してしまった時は、神経を除去する治療が必要になる事があります。
この歯の神経を除去する治療を根管治療といいます。
神経の数は歯により異なり、前歯では一つ、小臼歯では一つか二つ、大臼歯では三つか四つの神経を有します。
根管治療後は補綴物を被せる事が多いのでやり直しする事の無いよう、時間を掛けて根管治療をキチンと行う必要があります。
こちらの根管治療ページでは、根管治療が必要な過去の症例を紹介しております。
また、当院では根管治療をより精密に行うため、日本の歯科医院では導入数のまだ少ないマイクロスコープを導入しております。
マイクロスコープ精密治療に関してはこちらをご覧ください。
Q:歯の神経を抜くときに、レントゲンを撮らないで治療する場合はあるのでしょうか?

術前のレントゲン写真を撮影することなく、目視だけで判断して神経の治療をすることは無いと思います。目視で虫歯が神経に達しているのが解ることもありますが、詳しい状態を把握するために、術前のレントゲン写真撮影は必ずあると思います。
神経の治療をする工程で、神経の根の長さを計測するステップがありますが、ここで根管長測定器を使って長さを計測する場合は、ここでのレントゲン撮影はしない場合もあります。確認でレントゲン写真撮影することもあり、ここは歯科医の判断だと思います。
あとは、根の中に最終的な薬を入れた後の確認のためのレントゲン写真撮影は、欠かせない工程だと思います。
このことから、「術前術後のレントゲン撮影は必須」であり、「根管長測定時のレントゲン撮影は適宜」となると思います。
Q:他院で、根管治療は初回にレントゲン、2回目はその説明という流れと聞きましたが、一度に終わらせることはできないものなのでしょうか?

一度に終わらせることは可能だと思います。二回に分ける理由はいくつか考えられます。
保険を中心に診療している歯科医院では、一日に沢山の患者さんを診なければいけないので、単純に時間切れで次回ということがあると思います。
他に考えられるのは、治療計画が複雑になりそうなので、その場で的確な治療計画の説明が出来ずに、次回にということもあると思います。
複数本の歯の治療が必要な場合は、治療方法を検討する時間が必要ですからね。最善の方法を提案するためです。
Q:他院で根管治療が終わり、銀歯を被せた次の日から少し硬い物を噛むと痛みが出るようになりました。噛み合わせの問題なのでしょうか?

根管治療、補綴治療(被せ物)の後に、噛むと痛いという症状は日常の臨床でしばしば見受けられます。これは、根管治療が上手くいってない場合と、噛み合わせの与え方が不適切な場合が考えられます。
前者は、レントゲン写真撮影して状況判断が必要です。例えば、根の先に病巣が確認出来ることも良くありますが、その一枚のレントゲンだけでは判断出来ません。治療後に悪化してるのか、大きかった病巣が小さくなって来てるのかもしれません。
後者の噛み合わせの問題の場合、適正な噛み合わせになっているか確認が必要です。奥歯で普通に噛む動作、下顎を前方に動かす動作(前方運動)、下顎を左右に動かす動作(側方運動)を調べて、余計な干渉があればそれを削合して症状が軽減すればそのまま様子を見ます。
根の先の病巣はすぐには無くならないので、暫くしてからまたレントゲン写真撮影を行い、病巣の状況の確認をすれば良いと思います。
Q:他院で根管治療中で、柔らかいものでも少し当たっただけで痛いのですが、原因は何なのでしょうか?

根管治療には、「神経まで達するような大きい虫歯で神経を除去する処置(抜髄)」と、「以前に神経を除去済みの歯が、また化膿して再治療する感染根管治療」とがあります。
前者の場合は、根管治療中に痛むこともあります。根管が複雑な形態をしているケースは、根の中の汚染物質の除去が困難であったり、根の先に残っている神経の除去に時間がかかることがあります。そして、汚染物質が炎症を起こしてしまうと、触っただけでも痛みが出ることもあります(残髄炎)。ただし、しっかり根管治療が出来れば痛みは取れてきます。
後者の場合、前医がどの程度の根管治療をしてあるかによって変わりますが、急性の炎症を起こしている時は、落ち着いてくるまで痛むこともあります。慢性の場合は、根管治療中に痛みが出ることはあまりないと思います。どちらにせよ、正しく根管治療が出来れば痛みは取れて行くと思います。
Q:他院にて根管治療中で、仮詰め後の苦いのが収まりません。臭いがしない薬や、臭いが漏れないような仮蓋に替えることは可能なのでしょうか?

匂う原因としては、治療中に根管内に貼薬する薬剤の匂いが、仮の蓋を通り越していることがほとんどだと思います。
神経を除去した際に、根の先まで神経を殺すときに使用する薬剤、もしくは根管内部の菌を消毒するときに使用する薬剤も臭い匂いがします。
これは、気密性の高い仮の蓋を使用することで解決出来ます。水硬性の仮封材などが良いと思います。
固まるまで時間はかかりますが、完全硬化すれば高い封鎖性を発揮します。