セラミック素材 「e.max」
e.maxとは、ジルコニアと並んで注目されている素材で、被せ物全体がガラスを主成分としたセラミックでできています。透明度も高く色もキレイで、天然歯同様の審美性を誇ります。
強度の均一性が高く、総合的にはオールセラミックジルコニアの強度を上回っています。また、透過性の高さという観点からインレーに適しています。
他の素材に比べるとほぼ同程度の品質で、リーズナブルな価格設定になっています。選択肢の一つとしては非常におすすめの素材ではないでしょうか。
天然歯に近い摩耗性と審美性
e.maxは全体が400MPaという均一性を持っているのが特徴です。また、高強度でありながら天然歯に近い摩耗性を持っているため、対合歯が天然歯の場合でもe.maxの方が先に摩耗します。結果、天然歯に優しい素材と言えるでしょう。
天然歯との調和に優れており、一見治療したとはわからないような自然な仕上がりになります。このような審美性の高さから、当院ではインレーの治療におすすめしています。
ガラスを主成分としたセラミックインレーなので、従来のインレーと比べると、吸水しにくく、着色しにくい特性があります。吸水性が低く、着色が少ないことにより、歯との接合面が劣化しにくく、治療後の二次的な虫歯などの可能性が大幅に低くなるでしょう。
目的に応じた4段階の透明度
e.maxプレス・インゴットは、目的に応じて4段階の透明度に分かれています。
HT インゴット(高透明度)
高い透明度で特に小さな修復物の製作に適しています。天然歯に対しカメレオン効果を発揮し、周辺の歯質と良く調和します。
LT インゴット(低透明度)
透明度がHTより低く、ステイニングなどの製作に適しています。色にあわせてシェード付けされているので、ステイニングなどを最小限に抑える事が出来ます。
MO インゴット(中不透明度)
4種類のシェードがあり、若干変色した支台歯上のフレーム製作に適しています。シェードの濃度が高くなると、インゴットの蛍光性は減少します。
HO インゴット(高不透明度)
3種類のシェードがあり、失活歯や重度に変色した支台歯のフレーム製作に適しています。支台歯のシェードが非常に濃く色調再現が困難な場合でも、生活歯のような修復物が製作できます。
e.maxの製作工程
①模型作製
精密印象から模型を作製します。
②ワックスアップ
ワックスにて形態を作ります。
③スプルーイング
スプルーに植立します。
④石膏
石膏に埋没します。
⑤焼却
ワックスの焼却を行います。
⑥プレス
e.maxの元となるインゴットをe.max専用機器にてプレス作業します。
⑦取り出し
プレスされたe.maxを取り出します。
⑧調整
調整して模型に戻します。
⑨完成
e.maxの完成です。